早稲田大学
早稲田大学は総長室社会連携課が基金管理を行っています。
1.寄付金制度の概要
早稲田大学では1922年(大正11年)に創立40周年記念事業(故大隈重信記念事業)として最初の基金が設立されました。2022年4月に新たにスタートした早稲田大学応援基金に至るまで様々な基金が設立されています。
2.寄付金制度の特徴
目的ごとの基金を設置しており、基金の数は10以上します。
目的別基金の例
早稲田大学応援基金: 教育研究活動のさらなる充実と世界に貢献する学生の育成を目的とした基金。寄付金は運用益として重点事業に活用されます。
早稲田キャンパス新9号館建設募金: 早稲田キャンパスの新たな知の拠点として「新9号館」を建設するための基金。最新鋭の教育研究環境と「早稲田の森」を表現する建物への支援を求めています。
早稲田スポーツ募金(野球・駅伝・ラグビー): 早稲田スポーツを代表する野球・駅伝・ラグビーの強化のための奨学資金として活用される基金。卓抜した競技実績を持つ優秀な学生の獲得と育成を目指しています。
被災学生支援および復興活動支援: 2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」における被災学生・受験生への修学支援および被災地域の復興支援のための基金。学費減免・奨学金等の支援と復興活動の支援を行っています。
村上春樹ライブラリー募金: 村上春樹氏の蔵書や関連資料を収蔵・展示する「村上春樹ライブラリー」の建設・運営のための基金。村上氏の作品や思想を世界に発信する拠点としての役割を果たすことを目指しています。
早稲田大学歴史館募金: 早稲田大学の歴史や文化を伝える「早稲田大学歴史館」の建設・運営のための基金。早稲田のアイデンティティや魅力を広く発信することを目指しています。
早稲田大学リサイクル募金: 早稲田大学の環境保全活動や環境教育の推進のための基金。リサイクル品の販売や環境に関するイベントの開催などを行っています。
そのほか、原口記念アジア研究基金、政治経済学部グローバル・リーダー派遣留学生奨学基金、ハワード・ハギヤ奨学資金などが存在します。
3.社会連携システム
総長室社会連携課を設置して「地域連携」、「産学連携」、「校友連携」を軸とした繋がりを構築しようとしています。なお、寄付金管理も原則同課が行っています。
目的と役割: 社会連携課は、大学の知識や資源を社会に還元し、社会の発展に貢献することを目的としています。産学官連携、地域連携、国際連携など、多様な連携活動を通じて、社会との協働を促進しています。
主な活動: 企業や自治体、国際機関との共同研究、人材育成プログラムの提供、イベントの開催など、幅広い活動を行っています。
連携のメリット: 連携により、大学は新たな研究テーマの発見や資金の獲得、学生のキャリア支援など、多くのメリットを享受しています。
卒業生ネットワーク
早稲田大学校友会
設立: 1885年に第一回卒業生が出た翌年に発足しました。
組織構成: 各登録稲門会から代議員を選出し、最高議決機関である代議員会を開催しています。
活動: 校友会は、日本全国および世界各地に組甽を広げ、校友間の交流や大学の発展支援などの活動を行っています。
校友会の活動やイベントについては、校友会が発行するコミュニケーション誌やウェブサイトで最新の情報を得ることができます。校友会は、早稲田大学の卒業生が互いにつながり、支援し合うための重要なプラットフォームとなっています。
[会員数]約67万人(2022年時点)
4.ファンドレイジングのポイント
『募金の種類』として、目的や方法など混在させ、様々なキーワードを設置することで、ターゲットの興味を惹いている。
5.実績
[2022年度] 基金への寄付総額 37億円
ただし、寄附講座への寄付を除く
6.関連ニュース等
上記記事の要約:
エンダウメントの展開: 早稲田大学は、教育や研究の財源に充てるために、エンダウメントとして資産を運用しています。2018年からはプライベート・エクイティー投資を開始し、150億円のうち70億円を投資しています。
運用資産: 2020年度末で約1400億円の運用資産があり、年約5%のリターンを得ています。これにより、運用資産は年間1000億円の経常収入を上回っています。
投資戦略: 余裕資金を活用し、150億円のエンダウメント枠でミドルハイリスクのPE投資を行っており、2023年度からリターンが見込まれています。
将来の目標: 早稲田大学は、2050年に運用資産を3000億円から5000億円に増やすことを目標としています。
この運用は、教育・研究・社会貢献への再投資として利用され、日本の他の私立大学や国立大学と比較して、より積極的な資産運用を行っていることが特徴です。また、欧米の先進大学と同様に、エンダウメントを通じたPE投資がトレンドになっています。
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